「一姫二太郎(いちひめにたろう)」という言葉を、
「女の子1人と男の子2人の、3人きょうだいが理想」
という意味だと思っていないでしょうか。
しかし、本来の意味は違います。
「一姫二太郎」とは、1人目の子どもは女の子、2人目は男の子であるのがよい、
という昔からの言い伝えです。 子どもの人数ではなく、生まれる順番を表しています。
この記事では、「一姫二太郎」の本来の意味や由来、
「女1人・男2人」という意味は間違いなのか、正しい使い方を分かりやすく解説します。
「一姫二太郎」の意味とは?
「一姫二太郎」は、「いちひめにたろう」と読みます。
本来は、
最初の子どもは女の子、次の子どもは男の子であるのがよい
という意味のことわざです。
『デジタル大辞泉』でも、
「子をもつには、最初は育てやすい女の子で、次は男の子がよいという言い伝え」
と説明されています。
ここで重要なのは、
「一」「二」は子どもの人数ではなく、順番を表している
ということです。
つまり、
1人目:女の子
2人目:男の子
という順番を指します。
「女1人・男2人」という意味は間違い?
本来の意味では、
女の子が1人、男の子が2人
という3人の子どもを表す言葉ではありません。
文化庁の平成12年度「国語に関する世論調査」でも、
「一人目の子供は女、二人目の子供は男であるのが理想的だ」
を本来の意味として示しています。
整理すると、次のようになります。
| 解釈 | 内容 |
|---|---|
| 本来の意味 | 1人目が女の子、2人目が男の子 |
| よくある誤解 | 女の子1人、男の子2人の3人きょうだい |
「一姫」の「一」を人数、「二太郎」の「二」を人数と考えると間違えやすいので注意しましょう。
文化庁の調査では33.7%が「女1人・男2人」と回答
文化庁の平成12年度「国語に関する世論調査」では、
「一姫二太郎」の意味について次の2つから選んでもらっています。
| 意味 | 割合 |
|---|---|
| 1人目の子どもは女、 2人目は男であるのが理想的 | 60.9% |
| 子どもは女1人、男2人であるのが理想的 | 33.7% |
本来の意味を選んだ人は60.9%でしたが、
約3人に1人に当たる33.7%が「女1人・男2人」という意味を選んでいます。
なお、この調査は平成12年度に行われたものです。現在の理解度を示す最新調査ではないため、
この記事では「当時の文化庁調査では」という位置付けで紹介しています。
なぜ「一姫二太郎」と言われるの?
辞書では、昔から
「最初の子育てでは女児の方が育てやすく、育児に慣れた後に男児を授かるのがよい」
という考えから生まれた言い伝えとして説明されています。
また、男児を望んでいた家庭に最初に女児が生まれた際の
慰めの言葉として使われることもあったとされています。
ただし、これはあくまで昔から伝わる考え方・ことわざの背景です。
実際の子育てのしやすさは一人ひとり異なるため、
「女の子の方が必ず育てやすい」「この順番が理想」と現在の事実として考える必要はありません。
「一姫二太郎」の正しい使い方・例文
例文1:子どもの順番
1人目が女の子で、2人目が男の子なので、一姫二太郎ですね。
本来の意味に沿った使い方です。
例文2:ことわざとして使う
昔から一姫二太郎と言われるように、
最初が女の子で次が男の子という順番がよいとされてきた。
昔からの言い伝えとして紹介する使い方です。
例文3:意味を説明する
一姫二太郎は、女の子1人と男の子2人という意味ではなく、生まれる順番を表す言葉だ。
間違えやすい意味を説明するときにも使えます。
「一姫二太郎」は今でも使える?
現在でも使われることのある表現ですが、
「女の子が先、男の子が後の方が理想」という昔ながらの価値観を含む言葉でもあります。
そのため、人に対して使う場合は、
一姫二太郎で理想的ですね。
と「この順番が絶対に理想」と決めつけるより、
一姫二太郎ですね。
程度にとどめる方が自然な場合もあります。
家族の形や希望は人それぞれなので、
ことわざの意味と現在の価値観は分けて考えるとよいでしょう。
なぜ「女1人・男2人」と誤解される?
「一姫二太郎」を文字だけ見ると、
一姫=女の子1人
二太郎=男の子2人
のように、数字を人数として読みたくなるためです。
しかし、この言葉では「1人目」「2人目」という順番を表しています。
コトバンクに収録されている「ことわざを知る辞典」でも、
「女一人男二人がよい」と子どもの数として理解するのは誤りだと明記されています。
「一姫二太郎」についてよくある質問
「一姫二太郎」の読み方は?
「いちひめにたろう」と読みます。
「一姫二太郎」は子どもが3人という意味?
違います。
女の子1人+男の子2人という意味ではなく、
1人目が女の子、2人目が男の子という順番を表しています。
「二太郎」は男の子が2人という意味?
このことわざでは、そのような意味ではありません。
「一姫二太郎」全体で、最初が女の子、次が男の子という意味になります。
「一姫二太郎」は褒め言葉?
昔から「よい順番」とされてきた言い伝えなので、好意的な意味で使われることがあります。
ただし、現在は家族構成や子どもの性別についての考え方も人それぞれです。
相手との関係や場面を考えて使うとよいでしょう。
「一姫二太郎」は本当に育てやすいという意味?
「最初は女児の方が育てやすい」という昔からの考えが、
ことわざの背景として説明されています。
ただし、これは言葉の由来・伝統的な考え方の説明であり、
すべての家庭に当てはまる事実という意味ではありません。
「一姫二太郎」のように、言葉の意味を誤解されやすい昔からの表現はほかにもあります。
「情けは人のためならず」や「他山の石」も、本来の意味を勘違いされやすい言葉なので、
あわせて確認してみてください。
まとめ
「一姫二太郎」は、
1人目の子どもは女の子、2人目は男の子であるのがよいという昔からの言い伝えです。
「女の子1人と男の子2人」という意味ではありません。
覚えるなら、
本来:1人目が女の子、2人目が男の子
よくある誤解:女の子1人、男の子2人
と整理すると分かりやすいでしょう。
文化庁の平成12年度調査では、
本来の意味を選んだ人が60.9%、「女1人・男2人」という意味を選んだ人が33.7%でした。


