「敷居が高い」の意味とは?本来の使い方や誤用を解説

「敷居が高い」の意味と本来の使い方・誤用を解説するアイキャッチ画像言葉の意味

「敷居が高い」という言葉を聞いて、

「高級なお店で入りにくい」
「自分にはレベルが高すぎる」

という意味を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

しかし、「敷居が高い」の本来の意味は少し違います。

「敷居が高い」は、不義理や面目のないことがあり、
その人の家などへ行きにくいことを表す言葉です。

この記事では、「敷居が高い」の本来の意味や正しい使い方、
現在広く使われている意味について、例文を交えながら分かりやすく解説します。


「敷居が高い」の意味とは?

「敷居が高い」とは、本来、相手に不義理や面目のないことがあり、その人の家などへ行きにくいことを意味します。

例えば、長い間連絡を返していなかった知人の家を訪ねる場面を考えてみましょう。

何度も連絡をもらっていたのに返事をしていなかったので、彼の家は敷居が高い。

この場合は、家が高級だから入りにくいわけではありません。

相手に申し訳ないことをしてしまい、顔を合わせづらいという意味です。

「敷居」とは?

「敷居」は、もともと門や部屋の出入り口の下にある横木を指す言葉です。

「敷居が高い」といっても、実際に敷居の高さが変わるわけではありません。

相手に申し訳ない気持ちなどから、
その場所へ行くことに心理的な抵抗を感じる様子を表しています。


「高級で入りにくい」という意味は間違い?

現在では、

あのレストランは高級すぎて敷居が高い。

のような使い方をよく見かけます。

これは、本来の意味とされてきた使い方とは異なります。

文化庁の平成20年度調査では、「不義理などをして行きにくい」を選んだ人が42.1%、
「高級すぎたり上品すぎたりして入りにくい」を選んだ人が45.6%でした。

さらに令和元年度調査では、本来の意味とされてきた方が29.0%まで減り、
「高級すぎたり上品すぎたりして入りにくい」を選んだ人は56.4%になっています。

つまり、文化庁の令和元年度調査では、
「高級で入りにくい」という意味を選んだ人の方が多い結果となっています。

そのため、単純に「間違った日本語」とだけ覚えるより、本来の意味を知ったうえで、現在は別の意味でも広く使われている言葉だと理解すると分かりやすいでしょう。


「敷居が高い」の正しい使い方・例文

まずは、本来の意味で使う例を見てみましょう。

例文1:連絡をしていなかった場合

長い間連絡を返していなかったので、彼の家は敷居が高い。

相手に申し訳ない気持ちがあり、訪ねづらいという意味です。

例文2:迷惑を掛けてしまった場合

前回かなり迷惑を掛けてしまったので、あのお店は少し敷居が高い。

単に高級なお店という意味ではなく、以前迷惑を掛けたため行きづらいという意味になります。

例文3:義理を欠いてしまった場合

お世話になったのに挨拶にも行けず、先生のお宅は敷居が高くなってしまった。

こちらも、相手に対する申し訳なさから訪ねにくい状況を表しています。


「自分にはレベルが高い」と言いたい場合は?

「敷居が高い」は現在、「自分には難しい」「高級で入りにくい」といった意味でも広く使われています。

ただし、本来の意味との違いを気にする場面では、別の言葉に置き換えると誤解を避けられます。

例えば、

あのレストランは高級で入りづらい

初心者にはハードルが高い

私には少し難易度が高い

などです。

「不義理をしたわけではない」という場合は、
こうした具体的な表現にすると意味が伝わりやすくなります。


「敷居が高い」と「ハードルが高い」の違い

この2つも混同しやすい表現です。

言葉意味
敷居が高い本来は、不義理などがあって相手の家などへ行きにくい
ハードルが高い達成・挑戦するための難易度や条件が高い

例えば、

この資格は初心者にはハードルが高い。

なら、「取得するのが難しい」という意味なので自然です。

一方、

迷惑を掛けたので、あの人の家は敷居が高い。

なら、本来の「敷居が高い」の使い方になります。

「難しそう」ならハードルが高い、
「申し訳なくて行きづらい」なら敷居が高いと覚えると区別しやすいでしょう。


「敷居が高い」の意味はどう変化している?

「敷居が高い」は、本来とは異なる意味で使う人が増えてきた言葉の一つです。

国立国語研究所で行われた研究発表でも、「敷居が高い」について、本来とは異なる用法の使用が広がっていることを「誤用」だけではなく言葉の意味・用法の変化として捉える研究があります。

言葉の意味や使い方は、時代とともに変化することがあります。

そのため、「昔からの意味だけが存在する」と考えるのではなく、

本来はどのような意味だったのか
現在はどのように使われているのか

の両方を知っておくことが大切です。


「敷居が高い」についてよくある質問

「敷居が高い」は「高級」という意味ですか?

本来は「高級」という意味ではありません。

不義理や面目のないことがあり、その人の家などへ行きにくいことを表します。

ただし、現在では「高級すぎて入りにくい」という意味でも広く理解されています。
文化庁の令和元年度調査では、こちらの意味を選んだ人が56.4%でした。

「敷居が高い」と「ハードルが高い」は同じですか?

本来の意味では異なります。

「ハードルが高い」は難易度や条件が高いことを表します。

「自分には難しそう」という意味なら、「ハードルが高い」の方が意図を伝えやすいでしょう。

「敷居が低い」という言い方はありますか?

「敷居が高い」を「難易度が高い」という意味で捉えることから、
「敷居が低い」という表現も使われるようになっています。

国立国語研究所の研究発表でも、「敷居が低い」という形の成立が、
意味・用法の変化を考える材料として取り上げられています。

本来の「不義理があって行きにくい」という意味から考えると単純な反対語ではないため、
場面によっては「利用しやすい」「気軽に入りやすい」などと言い換えると分かりやすいでしょう。


まとめ

「敷居が高い」は、本来、不義理や面目のないことがあり、
その人の家などへ行きにくいことを意味します。

一方、現在では「高級すぎて入りにくい」「自分にはレベルが高い」
という意味でも広く使われています。

覚えるなら、

本来:申し訳なくて行きづらい
現在よくある使い方:高級・上品で入りづらい

と整理すると分かりやすいでしょう。

相手に誤解なく伝えたい場合は、
「高級で入りづらい」「ハードルが高い」など、具体的な表現に言い換えるのもおすすめです。

参考資料・出典

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