「御の字」の意味とは?「一応納得できる」は誤用?正しい使い方と例文

「御の字」の意味や「一応納得できる」という誤解、正しい使い方と例文を解説するアイキャッチ画像言葉の意味

「70点取れれば御の字だ」のように使われる「御の字」。

「まあ70点なら納得できる」
「最低限それくらいならOK」

という意味だと思っている人もいるかもしれません。

しかし、本来の意味は少し違います。

「御の字」とは、非常に結構なことや、
望んだことがかなって十分満足できることを表す言葉です。

つまり、「一応納得できる」「まあまあ満足」という程度ではなく、
「それだけできれば大いにありがたい」「十分満足だ」という、より肯定的な意味を持っています。

この記事では、「御の字」の意味や読み方、「一応納得できる」という意味は誤用なのか、
由来・正しい使い方・例文・言い換えまで分かりやすく解説します。

「御の字」の意味とは?

「御の字」は、「おんのじ」と読みます。

辞書では主に、

非常に結構なこと
望んだことがかなって十分満足できること

という意味で説明されています。

たとえば、

この予算内で完成できれば御の字だ。

という場合は、

この予算内で完成できれば十分満足できる。大いにありがたい。

という意味です。

単に「仕方なく納得する」というニュアンスではありません。

「一応納得できる」という意味は誤用?

辞書等で本来の意味とされてきた用法では、
「一応納得できる」「まあまあ満足できる」という意味で使うのは適切ではありません。

「御の字」は、本来、

大いにありがたい・十分満足できる

という強い満足を表します。

そのため、

100点を目指していたけれど、70点なら御の字かな。

を「70点なら一応納得する」という意味で使うと、本来の意味とはずれます。

一方で、現在は「一応納得できる」という意味で理解する人も多くなっています。
文化庁の調査でも、本来とは異なる意味を選んだ人の割合が、
本来の意味を選んだ人を上回っています。

文化庁の調査では49.9%が「一応、納得できる」と回答

文化庁の平成30年度「国語に関する世論調査」では、

70点取れれば御の字だ。

という例文について、どの意味だと思うかを尋ねています。

結果は次のとおりです。

回答割合
大いに有り難い36.6%
一応、納得できる49.9%
両方5.4%
全く別の意味1.0%
分からない7.1%

文化庁では「大いに有り難い」を本来の意味としています。

しかし、約半数に当たる49.9%が「一応、納得できる」を選択しました。

つまり、「御の字」は、
本来の意味とは違う意味で理解されることが珍しくない言葉だと分かります。

平成20年度の調査でも同じ傾向

文化庁は平成20年度にも「御の字」の意味を調査しています。

結果は、

回答平成20年度平成30年度
大いに有り難い38.5%36.6%
一応、納得できる51.4%49.9%

でした。

どちらの調査でも、「一応納得できる」という本来とは異なる意味を選んだ人が多くなっています。

そのため、日常会話では「御の字」を使ったときに、
話し手と聞き手で受け取り方が異なる可能性がある点には注意した方がよいでしょう。

「御の字」の由来・語源

「御の字」は、江戸初期の遊里語から生まれた言葉とされています。

「御」という字を付けて呼びたいほど優れたもの、ありがたいものという意味から、
「御の字」という表現が使われるようになりました。

「御」は、「御礼」「御恩」などにも使われるように、敬意を表す字です。

そこから、

「御」の字を付けたいほどありがたい → 非常に結構・十分満足

という意味につながったと考えると分かりやすいでしょう。

「御の字」の正しい使い方・例文

例文1:予想以上の結果

この条件で契約してもらえるなら御の字だ。

「その条件なら大いにありがたい」という意味です。

例文2:目標達成

初挑戦でここまでできれば御の字だ。

当初の期待以上で、十分満足できるというニュアンスになります。

例文3:費用

修理費が5万円以内で済めば御の字だ。

「5万円以内なら非常にありがたい」という意味です。

例文4:仕事

今月中に納品できれば御の字だ。

現在の状況を考えると、そこまで達成できれば十分満足できることを表します。

間違えやすい使い方

注意したいのは、「妥協して納得する」という意味だけで使う場合です。

たとえば、

本当は100点がよかったけれど、70点でもまあ御の字だ。

という文章で、「70点なら仕方なく納得する」という意味を表したい場合は、
本来の「御の字」のニュアンスとは異なります。

その場合は、

70点ならまずまずだ。
70点なら一応合格点だ。
70点なら悪くはない。

などの方が意図を正確に伝えられます。

「御の字」はビジネスでも使える?

「御の字」は仕事の会話でも使われることがあります。

たとえば、

今月中に契約まで進められれば御の字です。

のような使い方です。

ただし、「御の字」を「一応納得できる」という意味で理解している人も多いため、
重要な商談や正式な文書では、より明確な表現に言い換える方が安全です。

たとえば、

そこまで進められれば十分です。
その条件なら非常にありがたいです。
そこまで達成できれば十分満足です。

とすると、誤解されにくくなります。

「御の字」の類語・言い換え

「御の字」は文脈に応じて、次のように言い換えられます。

十分満足

この結果なら十分満足だ。

「御の字」の意味を直接的に表現できます。

大いにありがたい

そこまで対応してもらえれば大いにありがたい。

本来の意味にかなり近い言い換えです。

願ったりかなったり

自分の希望どおりで非常に都合がよいことを表します。

ただし、「御の字」と完全に同じ意味ではありません。

上出来

予想以上によくできたことを表す場合に使えます。

「まあまあ」という意味ではなく、良い結果を肯定的に評価する言葉です。

「御の字」についてよくある質問

「御の字」の読み方は?

「おんのじ」と読みます。

「ごのじ」ではありません。

「御の字」は「まあまあ」という意味?

本来は違います。

「非常に結構」「十分満足」「大いにありがたい」といった意味です。

「一応納得できる」は完全な間違い?

辞書等で本来の意味とされてきた用法とは異なります。

ただし、文化庁の平成30年度調査では49.9%が「一応、納得できる」という意味を選んでおり、
現在ではそのように理解されることも多い言葉です。

「御の字」の由来は?

江戸初期の遊里語から生まれた言葉で、
「御」の字を付けて呼びたいほどのもの、という意味に由来するとされています。

「恩の字」と書く?

書きません。

正しくは「御の字」です。

まとめ

「御の字」とは、非常に結構なこと、望んだことがかなって十分満足できることを表す言葉です。

整理すると、

本来の意味:大いにありがたい・十分満足
よくある理解:一応納得できる・まあまあ
読み方:おんのじ
由来:江戸初期の遊里語

となります。

文化庁の平成30年度調査では、
本来の意味とされる「大いに有り難い」が36.6%、「一応、納得できる」が49.9%でした。

現在は意味の受け取り方が分かれやすいため、特にビジネスなど正確に伝えたい場面では、
「十分満足」「大いにありがたい」などに言い換えるのもよいでしょう。

参考資料・出典

タイトルとURLをコピーしました